Share

第37話 ラファエル抹殺計画

last update Last Updated: 2025-10-28 22:24:30
「ゲルダ様、お話は終わりましたか?」

そこへ丁度タイミングよくブランカが戻ってきた。

「ブランカ、丁度良かった。貴女に大事な話があるのよ。ちょっとここへ来て座ってくれる」

私は自分の向かい側の席を指さした。

「大事な話ですか……ゲルダ様の言う大事な話は何だか嫌な予感しかしませんが……」

ブツブツ言いながらもブランカは私の向かい側の席に座った。

「それで大事な話とは何ですか?」

「ええ、実はね。私達はまず最初にシェアハウスを作る前にやるべきことがあるのよ」

「やるべきこと……? それは一体?」

「いやね〜分かっているじゃないの。ノイマン家の連中を完膚なきまでに叩きのめすのよ。もう既にノイマン家は全財産を失い、使用人たちも去っていき、風前の灯火状態かもしれないけれど、まだまだよ。二度と立ち直れないほどに潰しておかないと、私やアネットのように第二、第三の犠牲者が出るかもしれないじゃない」

「ええ、その通りです!」

アネットが相槌を打つ。

「成程……それで私にどうしろと言うのでしょう?」

「ええ、実はラファエルには本命の恋人がいたのよ。名前は……何だっけ?」

アネットに尋ねた。

「はい、その方はベロニカ・ウェルナー侯爵夫人です。彼女は新婚ホヤホヤの時代からラファエルと不倫関係と言うふか〜い仲になっていました」

「何ですって!? よりにもよって侯爵夫人と不倫!? な、何て大胆な……」

これには流石のブランカも顔をしかめる。

「ええ、そうよ。そして知ってるでしょう? 不倫がこの国ではどれだけ重い刑罰が課せられるか……」

「ええ、存じております。ですが、それと私が一体何の関係があると言うのですか?」

ブランカが首を傾げる。

「ウェルナー侯爵は現在外国に単身赴任中なんですって。そうよね? アネット」

「ええ、そうです!」

アネットは興奮気味に頷く。

「夫の不在をいいことに毎晩ラファエルの元へ通って、ヤルことヤッてたのよ」

「…何やら意味深な言い方ですが…つまり夫の留守を狙って、毎晩ラファエル様の元へ通っていたというわけですね?」

「ええ、その通りよ。だから私は密告しようと思うのよ」

「密告ですか? ウェルナー侯爵にですか?」

「そうよ」

「でも何処の国へ単身赴任してるのか分かるのですか?」

ブランカの言葉にアネットを見ると、首をブンブン振る。うん、アネットが知るはずは無いだろう。

Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させていただきます   第100話 幸せな時間

    ――18時厨房でパンを焼いていると、バタバタと駆けて来る足音が響いてきた。そして……。「酷いじゃないですか! ゲルダ様!」ウィンターが厨房に現れるなり、大声で喚いた。「は? 何が酷いのよ。それはこっちの台詞よ。ウィンター! 今の今まで何処をほっつき歩いていたのよ! 夕食の準備もしないで!」私は粉まみれの手でウィンターを指さした。「何言ってるんですか! 俺は園芸店に行った後、ずーっとゲルダ様がタクシー会社から出てくるのを待っていたんですよ! なのに……待てど暮せどゲルダ様は戻って来なかったじゃないですか!」私は頭を押さえた。「あのねえ……常識で考えてみたって分かるでしょう? 何時間も戻ってこなければ普通は帰ったと思わない? それに第一、どうして私がウィンターと一緒に帰らなければならないのよ。そんな約束だってしていないわよねぇ?」「ええ……そんなぁ……」ガクリと項垂れるウィンター。しかし、すぐに顔を上げた。「ところでゲルダ様。これ……ぜーんぶゲルダ様が作ったパンですか?」「ええ、そうよ。今夜はパンパーティーよ。取りえず今夜は私が夕食を用意したけど、明日からはウィンター。貴方が料理を作るんだからね? 分かった?」「はい! 分かりました。いや〜やっぱり流石はゲルダ様。口では沢山文句を言ってくるけれども、優しい方ですよね〜。それで俺も惚れてしまったんですけどね」ウィンターはドサクサに紛れてとんでもないことを言ってきた。「ちょっと! あんまり変なこと言うと追い出すからね!」冗談じゃない。こんな話をジョシュアさんに聞かれようものなら……。「やぁ、随分美味しそうな匂いがすると思ったら……ゲルダさんだったんですね?」タイミング悪くジョシュアさんが現れた。「あ! お、お帰りなさい! ジョシュアさん!」笑みを浮かべて迎えると、ウィンターが口を挟んできた。「ゲルダ様! あまりにも俺と待遇が違いすぎやしませんか!?」「当然でしょう? ウィンターは従業員、ジョシュアさんは大事なお客様なんだから、待遇の差に文句は言わないでちょうだい」するとジョシュアさんが嬉しそうに笑う。「本当ですか? そう言っていただけると光栄です。このシェアハウスに住めて本当に良かったです。それじゃ一度部屋に戻りますね」ジョシュアさんは厨房から出ていった。「はぁ……やっ

  • 旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させていただきます   第99話 私の最終目標は

    「ジャンー! ジェフー! お茶でも飲まなーい!?」リビングの窓から顔をのぞかせ、庭で家具の修繕をしていた2人に声をかけた。「はい、行きます!」「丁度喉が乾いていたんですよ!」ジャンとジェフが交互に返事をし、作業の手を止めて屋敷の中へと入ってきた。「はい。いつもご苦労さま、二人は偉いわね。いつも文句一つ言わずに黙々と働いてくれるから助かるわ」2人の前に紅茶を置いた。「え? ゲルダ様?」「一体突然どうしたんですか?」ジャンとジェフが首を傾げる。「ううん、本当にそう思っただけよ」ニコニコしながら言うと、ジェフが警戒心を露わにして私に尋ねてきた。「ゲルダ様……もしや何か考えていますね?」「え? そうなんですか!?」ジェフがギョッとした顔で私を見る。「ええ、実はね……2人にお願いがあるのよ」「い、一体何をさせようとしているんです?」ジャンが紅茶を飲みなが尋ねる。「それはね……」2人の顔にうんざりした表情が浮かんだのは言うまでも無かった――**** 14時を過ぎた頃にハンス、ケン、クリフの3人が荷馬車に荷物を積んで戻って来た。「お帰りなさい、3人共」ドアを開けて迎えに行くと、荷馬車には数個のトランクケースしか入っていなかった。「あら、荷物ってこれだけなの?」あまりにも荷物の量が少ないのでハンスに尋ねた。「ええ、お恥ずかしいですが……家具も全てついている部屋だったので、衣類しか持っていなかったんです」ハンスの顔が赤くなる。「なーんだ、そんなの気にすること無いじゃない。ここは家具付きの部屋があるから安心して暮らせるわよ」「本当ですか!?」「ええ、それじゃ……」するとそこへ畑仕事が終わったブランカが部屋に現れた。「あ、ちょうど良かったわ、ブランカ。ハンスを部屋に案内してくれる?」「はい、分かりました。こちらへどうぞ」ブランカがハンスに声をかけた。「ありがとうございます!」荷物を持ったハンスが礼を述べる。「俺たちも荷運び手伝うよ」「そうだな」ケンとクリフも荷物を持つと、先頭を歩くブランカの後をついて行った。彼らの後ろ姿を見届けると、私はうでまくりした。「さて、パン作りの練習でも始めようかしら」私の最終目的は自分の店……パン屋をオープンさせることだ。ゆくゆくはこの屋敷を一部改装してパン屋を始めたい……こ

  • 旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させていただきます   第98話 もう1人の新しい住人

    「本当に? 本当にいずれ全て話してくれるんでしょうね?」用心深げにケンに確認する。「ええ、勿論ですよ」ハンドルを握りしめながらニコニコ笑顔で答えるケン。恐らく私と話がしたくて自分のタクシーに乗せたことは理解した。それに 見たところ、悪そうな人間には思えない。「ひょっとして……貴方……」言いかけたものの、ケンによって素早くさえぎらる。「すみません、ゲルダさん。今はまだ何も話せないのですが……いずれ全てお話するので、とりあえず忘れて下さい」そんな忘れるなんて……。けれど何故かケンの顔が真剣で、何処か切羽詰まっているように見えたので、私はそれ以上尋ねるのはやめにした――****「ようこそ、お待ちしておりました」モンド伯爵邸ではブランカが出迎えてくれた。「あ、よろしくおねがいします」「お邪魔します」「ありがとうございます」ハンス、ケン、クリフが挨拶する。「それじゃ、皆中へ入ってくれる?」「「「はい」」」3人は声を揃えて返事をした。  リビングへ通すとすぐに私は3人に尋ねた。「あなた達、住まいはどうなっているの?」するとクリフが答えた。「俺は実家暮らしです。両親と妹の4人で住んでいます」「そう? ここにはどの位の時間で来れそう?」「う〜ん……そうですね。歩いても40分位でしょうか……? あ、でも乗り合い馬車の停車場がありましたよね? あれに乗ればもっと早く来れます」「そう? なら貴方は自宅通勤出来そうね? ケンはどうなの?」「俺はアパートメントに一人暮らしです。乗合馬車を利用すればここまで恐らく20分位で来れますね」「それじゃ、最後にハンスはどう?」「はぁ……実は僕、タクシー会社の寮に入っていたんですよ。だからもう出なくちゃいけなくて……」「そう? ならここに住めばいいわ。ここのシェアハウスの手伝いもしてくれれば格安で入居させて上げるから。ところで寮費はいくらだったの?」「はい、5万シリルです。食費は含まれていません」「ならここは食事付きで7万シリルはどう? その代わり、条件としてこのシェアハウスの運営のお手伝いもすること。どう? 悪い話じゃないと思うけど?」「本当ですか!? 実に良い話ですね! 是非ともお願いします!」ハンスは嬉しそうに頭を下げる。「ええ、それじゃハンス。今日からこのシェアハウスの住人よ。

  • 旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させていただきます   第97話 いずれ全て話します

     真っ先に声をかけてきたのはハンスだった。「ええ、お待たせ。貴方たちを迎えに来たわ。ついでにタクシー3台も一緒にね」「本当に助かります……今月まだ3人しかお客を乗せていなかったので、家賃も払えなくなりそうで不安だったんですよ」クリフが胸をなでおろす。「俺は4人ですよ。本当にタクシーを利用する客がこんなにいないとは思いませんでした」ケンがため息をついた。すると――「おうおう、お前らか? 俺のゲルダ様を誘惑しようとしている男たちは。何だ? 1人を除き、ガキどもじゃないか?」まるで私の用心棒にでもなったかのようなガラの悪い態度で3人の若者たちを睨み付ける馬鹿ウィンター。「ちょっと! 何失礼なこと言ってるのよ!」私は慌ててウィンターを睨み付けた。「けど、ゲルダ様! こいつら全員ゲルダ様に色目使ってきてますぜ!?」「はぁ~!?」誰が色目を使っているだって!? 3人の若者達は呆気にとられた様子でウィンターを見ている。「あの~ゲルダ様。この人、何者ですか?」ハンスがウィンターを見ながら尋ねてきた。「うん、良い質問ね。彼は……」すると私が言い終わる前にウィンターは余計なことを言った。「俺か!? 俺はゲルダ様の下僕であり、将来の夫候補のウィンターだ!」「「「えぇ~っ!?」」」のけぞる3人の若者。「ちょっと! 何寝ぼけたこと言ってるのよ!!」私はウィンターを怒鳴りつけた。「いい!? 私にだって選ぶ権利位あるのよ! でもウィンターだけは絶対にお断りですからね!」「そ、そんなぁ~ゲルダ様……」何とも情けない声を上げるウィンターは無視し、私は3人の若者達に向き直った。「それじゃ、社長の処に挨拶に行ってくるからね」「「「はい」」」彼等は返事をし……何故かウィンターまでついて来ようとする。「……ちょっと。一体何の真似かしら?」「え? ですから俺も付き添いに……」「そんな事はいいから、貴方は早く園芸店へ行って肥料を買って帰りなさいっ! さもなくば……」「ひぃっ! わ、分りました! 分りましたから……どうか追い払わないで下さい!」そしてウィンターは逃げるように園芸店へ向かって駆けだして行った。「ふぅ……全く、鬱陶しい奴め……」長い髪をかき上げて、ため息をつくと私はタクシー会社の社長の元へ向かった――****「お待ちしておりま

  • 旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させていただきます   第96話 皆のゲルダ

     ウィンターを伴ってタクシー会社を目指す為に辻馬車に揺られていた。馬車の窓から外を眺めていると、不意に向かい側に座るウィンターが声をかけてきた。「ゲルダ様」「何よ」「あのジョシュアって男……いけ好かないです。追い出しませんか?」「はぁ!?」突然の言葉に驚いてウィンターを見る。「ちょっと、何言ってるのよ? 寝ぼけるのも大概にして?」「別に俺は寝ぼけてなんかいやしません。ちゃーんと起きてますって」「大体何で追い出さないといけないのよ? 彼はシェアハウスの住人で、お客様なのよ? 彼は貴重な私達の収入源だと言うことを忘れていない?」むしろ追い出すべき人物は目の前のウィンターが適任だ。「だって……あいつ、俺のゲルダ様に色目なんか使って……ほんっとに自分の年齢を考えて行動しろって言ってやりたいですよっ!」「年齢……」それをならむしろ年齢を考えろと言われてしまうのは私の方だろう。前世と今世の年齢を合わせれば67歳のおばあちゃんになるのだから。ん? そう言えば今、ウィンターは何と言った?「ちょっと! そう言えば……ウィンター。今、私のこと何て言った? 『俺のゲルダ様』って言わなかった?」するとウィンターは開き直ったかのように頷く。「ええ、言いましたよ? 俺のゲルダ様」「ちょっとっ待ちなさい! 私がいつウィンターの物になったのよ? いい? 私はね、『皆のゲルダ様』なんだからね!?」腕組みをして言い放ってやった。そう、私はシェアハウスのオーナー。『皆のゲルダ』なのだから。そんな私をウィンターが呆れた目で見ていたのは言うまでも無い――****「どうもありがとうございました」タクシー会社の前で辻馬車を下ろしてもらった。「い、いえ、またのご利用をお待ちしております」御者は目的地がタクシー会社だというのが嫌だったのだろう。まるで逃げるように馬車を走らせて行ってしまった。そして背後からは待機中のタクシードライバー達の突き刺さるような視線……。「う〜ん……やはりタクシー会社に辻馬車で乗り付けたのはまずかったかしら……」「気にすることはありませんぜ? 文句があるやつは俺が片っ端からのしてやりますよ」ウィンターが指をポキポキ鳴らす。「ちょっと、物騒なこと言わないでくれる。私達はここに喧嘩しに来たわけじゃないんだから。……というわけで、ウィンター

  • 旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させていただきます   第95話 必要な人材とは

    「ゲルダ様〜俺が悪かったですから許して下さいよ〜」辻馬車を降りて銀行へ向かう私の後を何故かウィンターがついてくる。「ちょっと! 何でついていくるのよ! 貴方は園芸店に行って肥料を買ってくるんじゃなかったのっ!?」「いや〜そうなんですけどね、ほら。さっき大金を引き出すから気をつけないとって言ってたじゃないですか? だから護衛……むごっ!」私は咄嗟にウィンターの口を塞ぐと腕を引っ張って、路地裏へと連れて行った。そして辺りをキョロキョロ見渡した。「よし、ここなら人の気配は無いわね……」ここならウィンターに伝えておきたいことを言える。すると何を勘違いしたのか、ウィンターが妙な事を口走った。「こ、こんな人気の無い路地裏に引っ張り込むなんて……ゲルダ様は大胆な方ですよね……?」そして何故か顔を赤らめて私を見下ろす。「はぁ〜っ!? 何訳の分からない事言ってるのよ? いい? とにかくあんな町中で大金を引き出すとか言わないでよっ! いつ、何処でどんな人間に聞かれるか分からないでしょう!? もっと考えて喋りなさいよ!」「ですから護衛をしますって言ってるんですよ」ウィンターはケロリとした顔で言う。全く……最近のウィンターは私が何を言っても堪えないのか、ニコニコする一方である。「……仕方ないわね。それじゃ銀行に行って現金を引き出した後は別行動よ」「それじゃ危ないですって! 銀行にいた人間が後をつけるかもしれないじゃないですか!?」全く……ああ言えばこう言う……。「分かったわよ……それじゃタクシー会社までよ。その後はちゃんと園芸店に行って肥料を買って屋敷に戻るのよ?」「え? タクシー会社の帰りだって危ないんじゃないですか?」「それなら大丈夫よ。私はタクシーに乗せてもらって帰るんだから」「え”? そうなんですか!? まさか早速今日から男をはべらすんですか!?」ぷちっ私がその言葉に再び切れたのは言うまでも無かった――****  銀行を出た私とウィンターはタクシー会社目指して歩いていた。「しかし、400万シリルも引き出すとは……中々太っ腹ですね?ゲルダ様は」大金をショルダーバッグに入れて歩く私にウィンターは話しかける。「太っ腹とかそういう問題じゃないわよ。何しろこのお金はこれからタクシー3台の買い取りと、3人の若者たちを引き抜くための必要経費なん

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status